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2025/05/11 23:00



首輪からはじめる、家族のつながり

-シンプルだけど、やさしい首輪-


「愛犬用の首輪を作ってほしい」

そんな声をもらったのがきっかけで首輪づくりが始まりました。しかし、何度試作しても「これだ!」と思えるものができあがらない。そんなある日、散歩中の愛犬を眺めながら、「そもそも、その首輪は本当に快適なんだろうか?」 という問いかけが頭に浮かびました。

散歩中って、犬は自由に走ったり歩いたりします。もちろん、基本的には、できるだけその動きに合わせて散歩に付き添いますが、出会いがしらに他のワンちゃんと遭遇したときは、グッとそちらに向かおうとすることもあります。それはもう、すごい勢いです。当然、リードが引っ張られるので、首輪もグッと引っ張られてしまいます。そんな光景を見ていると、せめて首に当たる部分だけでもやさしい素材を使ってあげることが、愛犬に対する本当の優しさではないかと考えました。

作り手の僕らや飼い主さんが「これがかわいい」、「こっちのほうがかっこいい」と思っても、それが本当に愛犬にとって好ましいかどうかは別の話。実は重く感じていたり、ゴワゴワして痛いとストレスになっているかもしれません。

愛犬は家族の一員」というフレーズをよく聞きます。だから、軽くて、やわらかくて、首にストレスがないものがいい。そんな首輪を作りたい。そう考え、アイディアを見直すことにしました。

まずは、素材の話から。

なぜ、ヘンプ(HEMP)なのか?

じつは、多くの魅力的な特徴を備えている素材で、

デリケートな肌の愛犬にも安心して使えるからなんです。


麻の種類であるヘンプ は成長が早く、農薬や化学肥料をほとんど使わずに育ちます。水の使用量も少なく、環境への負荷がとても低いのです。 加えて、二酸化炭素を多く吸収し、土壌改善にも貢献するため、地球環境にすごく優しい。実際、持続可能な(サステナブル)素材として注目されています。


生地としては、抗菌防臭吸湿速乾UVカットなどの特性があるので、散歩をする愛犬にもピッタリの素材と考えたのです。


じつは、日本でも古くから親しまれています。注連縄(しめなわ)や鈴緒(すずお)などの神事、皆さんの食卓にある七味唐辛子の麻の実、そして大相撲の横綱の化粧まわしにも使われてきた素材なんです。


首輪は肌に触れるものですし、ヘンプのような無農薬に近い自然素材であれば、それだけ肌にもやさしいと考えています。吸湿性が高く、天然の抗菌作用を持つ素材であることから、愛犬のデリケートな肌にも安心して使うことができます。


そのヘンプ糸と柔らかな綿糸を織り合わせることで、さらっとした心地よい肌ざわりの生地に仕上がります。それが『ヘンプコットン』です。


ヘンプコットンは、肌がデリケートなペット達にとって刺激の少ない天然素材であり、ペットにとっても飼い主にとっても、やさしい選択肢の一つだと思います。



ポイントは、その「ヘンプコットン」をどう使うか? ということになります。

まず、ベースにするのは、水にも強く軽量なポリプロピレン製のテープ を使用することにしました。 水分を吸わないため カビや菌がつきにくく、適度な弾力と柔軟性が高いのが特徴の素材です。

でも、合成素材の肌ざわりって、決してやさしい感触とは言えないですよね?特に首にテープの縁が当たることを想像すると、自分なら嫌だなって……。

そこで、あえて 「ヘンプコットンをくるっと巻く」 というローテクな手法で作ることにしました。シンプルながらも、首に当たる感触の良さは抜群です。また、天然素材ならではのナチュラルな色合いと、鮮やかなテープのコントラストが、デザインのアクセントになります。

そして完成した ヘンプコットン・ロール・カラー は、とても軽いです。わずか15〜16グラムほどしかありません。一般的な革製の首輪は30グラム以上あるため、比べるとその軽さが際立ちます。


手元にある4色ボールペンとほぼ同じ重さ 。 そう考えると、その軽さが実感できるのではないでしょうか?


首輪が軽くなることで、ペットの負担が減り、ストレスも軽減されて快適に過ごせるようになると考えています。




“ぴったりサイズ”にこだわる理由

ペットにとってストレスのない首輪とは何かを考えました。

例えば、私たちが身につけるもののサイズが少しズレていたら、どう感じるでしょうか?

やはり、快適ではないと感じるはずです。


だからこそ、ペットにとって『最適な首輪』を作るうえで、調節式ではないほうが良いのではないかと考えました。


調節式の首輪は、どうしても調整金具や合成テープの部分が多くなり、それが首に触れる箇所を増やしてしまいます。その結果、ヘンプコットンの部分がズレてしまい、ベースとなる合成素材が肌に当たる面積も増えてしまうのです。それでは、ペットにとって快適とは言えません。


そこで、ジャストサイズでお作りするセミオーダーでお届けすることにしました。
 
とはいえ、もちろん、成長期の子犬や季節によって体格が変化するペットのために、多少の調節機能を求める飼い主様もいらっしゃることは承知しております。そのため、ご希望に応じて調節可能な首輪をオプションとしてご用意する予定です。



名前入りで、さりげなく、かわいらしく

愛犬の名前を ハンドプリント で入れるオプションサービスもご用意しています。革に焼印を入れる首輪もありますが、少し渋めな雰囲気になりがち。一方、生地にプリントすることで、名前がはっきりと見やすく、ドッグランなどで出会った人にも覚えてもらいやすい かなと思います。


「ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字・スラッシュ( / )」からお選びいただけます。とくに 「ひらがな」 は小さなお子さんにも読みやすく、どこか 子どもの持ち物に名前を書いているような、ちょっとした“かわいらしさ” も感じられるんですよね。

また首輪に誕生年 を入れたりすると、特別感も増してくると思います。




大切な家族のために

「ヘンプコットン・ロール・カラー」 は、愛犬の快適さを最優先に考えた首輪です。


“毎日つけるものだからこそ、少しでも負担の少ないものを選びたい。“

そんな飼い主さんの気持ちに寄り添い、ペットのためにも、この首輪をお届けしたいと考えています。